B－1グランプリで2連覇を達成した「富士宮やきそば」の特徴とは
静岡県富士宮市に行って、「富士宮やきそば」を食べ歩いてみた。
富士宮やきそばとは。
富士宮やきそばは、静岡県富士宮市周辺で食べられているやきそば。
B級グルメの大会であるB－1グランプリで2連覇を達成し、全国的にも有名になった。
郷土料理を利用した町おこしの成功例としてとも注目されている。
一般的に販売されている柔らかいやきそば麺とは違い、コシのある麺が特徴。
富士宮市内には、それぞれ味にこだわりをもったやきそば店が多数ある。
富士宮やきそばの麺の特徴。
小麦粉と水を練って麺を蒸した後、一般的な製法ではもう一度ボイルするが、富士宮の麺は強制的に冷やし、油で表面をコーティングする。
そのため他の麺に比べて水分が少なく、コシのある麺ができ、食感に違いが出る。
調理方法の特徴。
- 富士宮市内にある3つの製麺業者の、富士宮流やきそば蒸し麺を使用している。
- 炒めるための油として、ラードを用いる(天然素材の植物油を使う店もある)。
- 一般的には「肉」「天かす」などをやきそばに加えるが、富士宮やきそばではラードを絞った後の「肉かす」を加える。
- 一般的にはカツオの削り節などをふりかけるが、富士宮やきそばでは「イワシの削り粉」をふりかける。
- キャベツは富士宮の高原キャベツを使用する。水分が少なく歯ごたえの良い「秋キャベツ」が良しとされる。(キャベツ以外にもネギやもやしを入れる店もある)。
- ソースの味や量には、各店でのこだわりがある。辛口ソースの店が多い。
- 添えるものは紅ショウガが多いが、これも店それぞれである。
- トッピングはタコ、海老、卵、肉、ホルモンなど各店で工夫している。
- 水は富士山の湧水を使用。調理の際の水加減が、コシの強さの重要なポイントとなる。
- 熱くて大きい鉄板を用い、強火で焼く。
- 焼き方は、店の人が焼いて出す店、客が自分で焼く店、どちらともOKという店もある。
- 食べ方については、鉄板で焼いたやきそばを皿に盛って出すところもあるが、鉄板で温めながら直接食べるのが美味しいという人もいる。これは人それぞれ。
- これらの調理法を基本に各店ごとに、味つけ、焼き方、トッピングなどを工夫している。
白糸の滝の近くに音止の滝という滝がある。その音止の滝のすぐ上にあるこちらのお店に入ってみた。店からは滝となって流れ落ちる寸前の川の流れを見ることができる。
富士宮やきそばを提供している店には、こののぼりが立っているのでわかりやすい。
やきそばの上には、富士宮やきそばの特徴である「イワシの削り粉」がふりかけられている。大きなキャベツがシャキシャキしていて美味しい。
こちらのお店は大社通り宮町にある「富士巻食堂」。JR身延線富士宮駅から歩いて10分ほどのところにある。
コシのある麺が特徴。ご馳走様でした。
お宮横丁。富士山本宮浅間大社の入口の斜め向かいにある。富士宮駅から歩いて10分ほど。富士宮は浅間大社の門前町として発展した。
お宮横丁は、やきそば、ジェラート、にじます、豚肉など富士宮の名産品を売る店が集まっている話題のスポット。富士宮は「にじます」の生産量が日本一。にじますは市の魚に制定されている。
お宮横丁には、富士宮やきそばを提供する3件の店「すぎ本」「むすびや」「富士宮やきそば学会」があるが、この日は「富士宮やきそば学会」のやきそばを食べてみた。
コシのある麺、イワシの削り粉、肉かすなど富士宮やきそばの特徴を味わうことができた。
感想
最初に一口食べたときは「なんだこのいつもと違う麺は」と思ったが、食べているうちにコシのある麺の食感と独特の味つけがたまらなく好きになっていった。
麺はモチモチしていて少し固め。歯ごたえがある。
イワシの削り粉は香りが独特。この香りが実にいい。
肉かすは豚の脂身。自分としてはこれが非常に気に入った。麺の中から肉かすを探し出して食べるほどに気に入った。
キャベツが大きくてシャキシャキしている、これも気に入った。
他では味わえない独特の特徴のある味と食感、なぜかまた食べたいと思う一品。
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