鎌倉の大仏様の胎内に入ってみた
鎌倉唯一の国宝仏が鎮座する高徳院
高徳院は、鎌倉大仏を本尊とする寺院。真言宗、臨済宗に属した後、江戸時代に浄土宗の寺となった。境内一帯が「鎌倉大仏殿跡」として国の史跡に指定されている。
一度は間近で見ておきたい、高さ11m超の大仏様
鎌倉大仏の名で親しまれている高徳院の本尊、国宝銅像阿弥陀如来坐像。初めは木造で歴仁元年(1238)に着工し6年間で完成したが、その後台風で倒れた。
建長4年(1252)から10年前後の歳月をかけて現在の青銅の像が造られ、大仏殿の中に安置された。原型作者は不明であり、創建に関わる事情の多くは謎に包まれている。
像を収めていた大仏殿は、建武元年(1334)と応安2年(1369)の台風で損壊しその都度復興したが、明応7年(1498)の大地震による津波で流失し、それ以来復興せず、露座の大仏として知られるようになった。
(参考資料:高徳院の案内小冊子「大佛」)
1月の天気の良い日、鎌倉の大仏様を見に行った。
仁王門。高徳院の表門にあたる。この門をくぐって境内に入る。
正面から見た大仏様。仏像そのものの高さは約11.3mある。台座を含めると約13.6m。ちなみに奈良東大寺の大仏は、仏像の高さが約15m、台座を含めると約18mある。奈良の大仏の方がやや大きい。
顔の部分を拡大するとこんな感じ。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、口元にたたえられた微笑みを「東洋的微笑」と呼んだそうだ。
こちらは横顔。
大仏様の中に入ってみた。内部は空洞で鋳物の継ぎ目などを観察することができる。
これも仏像内部の写真。穴の開いているところは頭の部分。
大仏の背後に回ってみた。足元に青銅製の蓮弁4枚が安置されている。これらは江戸時代に蓮台の製作を企画して造られた。32枚の製作が予定されていてが、完成したのがこの4枚だった。表面に寄進者の名前が刻まれている。
大仏に向かって右側の回廊内壁には、長さ1.8m、幅0.9mの巨大なわらぞうりがあった。このわらぞうりは「大仏様に日本中を行脚し、万民を幸せにしていただきたい」という願いをこめて奉納されたものだそうだ。
与謝野晶子歌碑。「かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼は 美男におはす夏木立かな」という歌が刻まれている。
観月堂。15世紀に朝鮮王宮内に建築されたと伝えられる月宮殿を移築した貴重な建物。観音菩薩立像が安置されている。
鎌倉大仏へのアクセス
●江ノ島電鉄(江ノ電)の長谷駅で下車。長谷駅から徒歩で約7分。
●鎌倉駅東口バス乗り場1番から江ノ島電鉄バス、または6番から京浜急行バスに乗り、「大仏前」バス停で下車。鎌倉駅から大仏前までの所要時間は10分ほど。
感想・気づいたこと
●奈良東大寺の大仏との最大の違いは、大仏を覆う大仏殿がないということ。度重なる台風や地震で大仏殿は損壊し、その後復興されていない。大仏様は覆いがない中、長い間雨風や地震に耐えてきたのだ。
●2015年1月時点の拝観料は大人200円、小学生150円。胎内拝観料は別途20円。
●鎌倉駅東口からバスに乗り「大仏前」バス停で降りると、高徳院の仁王門は目の前。歩きたくない人はバスの利用が便利かも。
●境内にあるみやげ店には、大仏様をモチーフにしたユニークなグッズがそろっている。
●高徳院の境内には約60本の桜の木がある。開花の時期には、桜の花と大仏様の競演が見事とのこと。
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