武蔵野の面影を色濃く残す平林寺の境内を歩いてみた
平林寺
埼玉県新座市にある平林寺に行ってきた。豊かな自然に囲まれた平林寺は、禅修行の専門道場をもつ臨済宗妙心寺派の禅寺である。
平林寺は南北朝時代の永和元年(1375)に岩槻城主太田道真によって、現在のさいたま市岩槻区に創建された。
その後、江戸時代前期の寛文3年(1663)に川越城主、松平信綱・輝綱父子によって埼玉県新座市野火止の地に移され、現在に至っている。
武蔵野の面影を残す境内の雑木林は、国の天然記念物に指定されている。作家の田山花袋は「武蔵野の昔の匂いを嗅ごうとするには野火止の平林寺付近がよいね」と語ったそうだ。平林寺周辺には今も武蔵野の自然が静かに息づいている。
寺の出入り口にあたる総門。拝観受付をして境内に入る。
山門
ここが本堂。
島原の乱供養塔。肥後天草の農民がキリシタン信者と結合して起こした大反乱を、松平信綱が収めたことに由来する島原の乱の供養塔。この戦いによって亡くなった人たちの霊を慰めるために建てられた。
松平信綱の墓。本堂の裏手には松平信綱をはじめとした松平家歴代の墓所が並んでいる。
ここは、もみじ山といって秋の紅葉がきれいなところ。平林寺の境内林は、典型的な武蔵野の里山の風情を昔のままとどめる貴重な森。全域が静寂に包まれた禅の修行道場であり、人に安らぎを与える聖域。
野火止塚。野火止塚は野火の見張り台であったとする説が有力だそうだ。このような塚は、古くからこの平野の各所にあったとのこと。
業平塚。在原業平が京都から東国へやって来た時に、武蔵野に馬を止めて休んだという言い伝えがあるそうだ。
野火止用水(平林寺堀)。松平信綱が平林寺をこの地に移すとき、生活用水を確保するために玉川上水から分水して水路を引いた。
平林寺へのアクセス
●平林寺へは、JR武蔵野線の北朝霞駅、東武東上線の朝霞台駅・志木駅、西武池袋線のひばりヶ丘駅・東久留米駅から行くことができる。どの場合も電車を降りたら西武バスに乗り換えて、「平林寺」バス停で下車する。
●東京方面から車で行く場合には、国道254号を川越方面に向かい「新座警察署前」交差点を左折し、約1km。
感想・気づいたこと
●昔の武蔵野の面影が今も色濃く残っている。人の手が入る前の関東平野はこんな感じだったのだろう。境内には樹木が多く、多くの野鳥もいる。梅、桜、紅葉など季節ごとに自然の美しさを味わえる。
●境内は静寂に包まれており、散策していると時間を忘れてしまう。トイレはいくつか設置されている。ところどころにベンチがあり、歩くのに疲れたら座って休むことができる。いくつかの散策コースが設定されており、見学に必要な時間の目安は30~60分ほど。
●境内には売店や食事処などはない。総門を出たところに食事処があり、うどん、そばなどの軽食を食べることができる。
●駐車場は、総門の前に「ひるねの森駐車場」という有料の駐車場がある。
●拝観時間は午前9時から午後4時30分までで、入場は午後4時まで。2015年1月時点の拝観料は大人(中学生以上)500円、子供(5歳以上)200円。
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