江戸時代の宿場町を肌で感じることのできる長野県塩尻市の奈良井宿
日本一の宿場町奈良井宿
中山道沿いに約1kmにわたって家並みが続く奈良井宿は、鳥居峠という難所をひかえたところにあり、中山道木曽11宿の中で最も賑わった宿場町だったという。
その繁栄のさまは「奈良井千軒」と呼ばれたほどであった。
今も江戸時代や明治時代の建築物が立ち並び、往時の面影を色濃く残している。
昭和53年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
実際に奈良井宿を歩いてみると、江戸の宿場町を肌で感じることのできる町並みが続いている。
江戸時代の形式をとどめた家で、現代の生活が行われていることにも驚かされる。
二百地蔵。観音様や地蔵様の石仏が200体近くまつられている。明治初期の国道開削・鉄道敷設の折に奈良井宿周辺から集められたという。それぞれの素朴で豊かな表情は、訪れる人の心を和ませてくれる。
中山道杉並木。杉の巨木が十数本並ぶ古道。この道は中山道であった当時からのもの。街道を行きかう旅人の姿が目に浮かんでくるようだ。
木曽の大橋。奈良井川に掛けられている太鼓型の橋。樹齢300年以上の木曽檜づくりで、橋脚のない橋として有数の大きさを誇る。橋の下部の木組みからは匠の技を垣間見ることができる。
奈良井宿の街並み。江戸時代の面影が今も残る。
法然寺。浄土宗の寺院。関ヶ原の合戦に向かう途中、徳川秀忠が一時滞在し、陣屋として使用したという記録が残されているところ。
大宝寺。臨済宗妙心寺派に属する禅寺。天正10(1582)年、奈良井の領主であった奈良井義高が自らの菩提寺として開いたのがはじまりとされる。本堂の裏には庭園もある。
手塚家(上問屋資料館)。江戸時代(天保年間)の建築。慶長7年(1602)年から明治時代に至るまで奈良井宿の問屋をつとめてきた手塚家住宅。古文書や道具類などの貴重な資料が展示されており、内部を見学することができる(有料)。
上問屋資料館の内部。家の中の様子は昔のままだ。
中村邸。塗櫛の問屋を営んでいた中村家の住居で、天保年間(1830~1843)の建物。典型的な奈良井の民家の様式を残している。内部の見学ができる(有料)。
昼食は「そば処 かぎの手」というお店でいただいた。この地方の名物である「そば」「五平餅」「おやき」を食べてみた。
信州の中でも木曽は古くからの屈指のそば処だという。コシがあって風味豊か。
ゴマやクルミなどのタレを塗って焼いた五平餅は、甘さ控えめで抜群の香ばしさが食欲をそそる郷土料理。これは旨い。
おやき。こねた小麦粉を平らにして両面を焼いた昔ながらの郷土料理。中には野沢菜がいっぱい詰まっていて、温かくて最高においしかった!
連続テレビ小説「おひさま」のロケ地
奈良井宿は、平成23年春から放送された井上真央さん主演の連続テレビ小説「おひさま」の撮影地として使われた。宿場内約200mにわたって大掛かりなセットが組まれ、昭和初期の安曇野が再現された。地元で暮らす100名を超えるエキストラも出演したとか。奈良井宿では、主人公の陽子と周りを取り巻く人々の人生において重要なシーンが数多く撮影されたという。
奈良井宿へのアクセス
●電車
●車
・長野道塩尻ICから国道19号線経由で約40分。
・中央道中津川ICから国道19号線経由で約1時間30分。
感想・気づいたこと
・奈良井駅で電車を降り、駅舎を出て少し歩くと突如目の前に江戸時代の宿場町が出現する。そして、それが1kmも続く。驚きの光景だ。映画のセットの中にいるようでもある。江戸時代の人々の暮らしを肌で感じることができる。昔、中山道を歩いて旅した旅人たちの姿が目に浮かんでくる。
・建物は今もお店などとして使われている。
・奈良井宿から鳥居峠を越えて藪原宿へ至る約6kmの山道は、江戸時代の旅人にとって中山道屈指の難所として有名だった。この道をを歩くことができる。頂上からは御嶽山や木曽駒ケ岳を望むことができ、古道の途中には松尾芭蕉をはじめとする俳人・歌人の句碑や石仏が数多くたっているとのこと。いつか歩いてみたい。
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