一度は行ってみたいとっておきの名所を訪ねる旅

あちらこちらへ放浪の旅に出かけ、面白いところや気に入ったスポットを紹介します。

西伊豆の戸田港とロシアにまつわる幕末秘話。

西伊豆の戸田港とロシアとの意外なつながり。

プチャーチンと日露交渉

ロシアの海軍中尉プチャーチンは、鎖国をしていた日本に国交を求めて来航した。

1854年11月1日から伊豆下田で日露交渉が始められた。

その矢先の4日に大地震が起こり、プチャーチンの乗艦ディアナ号津波で大部分を破損し修復せざるを得なくなった。

戸田港での修復が決定したが、その曳航の途中で大風に遭い沈没してしまった。

プチャーチンは、洋式帆船の建造を幕府に上申し、戸田で船を新造することが決定した。

ディアナ号の乗組員総勢586名も戸田で生活することになった。

プチャーチンは、宿泊している戸田の宝泉寺から下田へ足を運び、12月21日、日露和親条約の締結を果たした。

 

「戸田号」の建造

ディアナ号亡き後、プチャーチン率いる586名のロシア使節が本国へ帰るために建造されたのが、日本初の洋式帆船である戸田号

船場所は、プチャーチン自らが戸田を選び、戸田港南側の牛ケ洞となった。

船を失ったロシア人の宿舎は、宝泉寺と本善寺が当てられた。

言葉の壁を乗り越え設計図を完成させた後、戸田の大工を中心に建造に着手して100日余りを費やして1855年3月10日には進水式を行うことができた。

プチャーチンは完成した新造船に、戸田の人々への感謝の意味を込めて「戸田号」と命名した。


戸田造船郷土資料博物館。館内には戸田号設計図や大工道具が展示され、ロシアの軍艦ディアナ号の津波による被災から沈没、さらに戸田号建造にいたるまでの経過が紹介されている。

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昭和になって引き上げられたディアナ号の錨。

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ディアナ号の模型。

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戸田号の模型。

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宝泉寺。難破したロシア使節一行が戸田に滞在中、プチャーチン提督等の宿所として使われた。滞在中に病死したロシア水兵の墓もある。

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ロシア水兵の墓。

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戸田号建造の地に建てられた造船記念碑

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幕末の戸田でこのような出来事があったとは知らなかった。

実際に戸田へ行ってみて初めて知ることができた。

戸田造船郷土資料博物館へ行くと、当時のことを詳しく知ることのできる資料や展示物が多数ある。

 

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